事例紹介

INTERVIEW

株式会社アルキャスト

社員一丸で持続可能な印刷業の在り方を追求する

2022年1月19日

どんなことをしている企業ですか

地域密着をモットーに地元の顧客をメインに取り扱っていた前身の会社(矢沢印刷(株))が、県外からの依頼に応えるため、2012年に(株)アルキャストを設立しました。

アルキャストとはラテン語の「ARS(技術)」と英語の「cast(配役)」を掛け合わせたもので、お客様の役に立つ「印刷の技術者集団」になるという想いが込められています。
以来、一般書籍の印刷だけではなく、合成紙や和紙、竹紙、ストーンペーパーなどの特殊紙への印刷技術も習得し、ノートや紙袋などのオリジナル商品の開発・販売まで手掛けるようになりました。“印刷業ならでは”の地域貢献と環境保護を模索しつつ、新しいカタチの印刷会社として歩み続けています。

長野県SDGs推進企業に登録したきっかけを教えてください

県外企業と情報交換をする中で、SDGsを知ったのがきっかけでした。 実は一般的な印刷方法は水と油の性質を利用しており、大量の水を使用すると同時に廃液を出します。こうした環境負荷を減らしたいと思い、当社では、早期に廃液削減装置を導入し、廃液量を従来の8分の1程度まで減らし、処理後に分離された水をろ過し、再利用することで省資源化への取組を行ってきました。また、環境に優しいベジタブルオイルインキや大豆インキなども早期に取り入れていました。

環境にやさしいベジタブルオイルインキ

こうした取組をしていた折に、長野県が全国に先駆け、企業向けのSDGs登録制度を導入することを知り、“印刷業ができる地域貢献”を考える当社としては、とてもいい機会でした。登録後は長野県主催の「SDGsを実装する為のイベント」に約半年間参加して勉強したことで、他の登録企業様とのつながりも増えており、参加させていただいたことには感謝しています。

取り組んでいる事業はどのようなものですか

大きく分けて2つあり、1つは、先に述べたように、環境に優しい装置や石油由来成分の少ないベジタブルオイルインキや大豆インキを導入することで化学物質や廃液を減らすこと。もう1つは、印刷技術の向上を図ることで、環境負荷の少ない非木材紙(竹紙・ストーンペーパー・和紙)への印刷を可能にしたことです。 一般的に、印刷業に必要な“紙”は木材パルプを原料とすることが多いです。そこで木材に対する考え方、資源を大事にするという観点から、ボランティアで信濃町に植樹をはじめました。「使う責任・作る責任」とあるように、大事な資源を後世に残したい、“木を植えることで将来も紙を使えるように”という循環型社会へ向けた取組です。植樹は継続的な下草狩りが必要ですが、社員が率先して定期的に行ってくれています。

植樹活動
竹紙を使ったBAMBOO NOTEやストーンペーパーバッグ

また、手入れの行き届かない竹林が存在し、タケノコの生育にも影響を及ぼす「竹害」の解決のために開発された「竹紙」の存在を知りました。その趣旨に賛同し、私たちは竹紙を使ったノート(BAMBOO NOTE)を開発・販売して竹紙の周知に協力しています。特に、竹の原材料を国産にこだわっているだけでなく、環境配慮のインクや針を使わない製本にすることで、100%古紙として再利用も可能になっています。現在、SDGs達成に積極的な企業や学校で活用いただいています。竹紙製造過程で出る端材を利用してポストカードも制作しており、「ムダを作らない」取組にもなっています。

そのほか、枯渇の心配がない石灰石で、ストーンペーパーを使った紙袋も制作しました。水に強く丈夫でそのまま自然に還るのが特徴です。ロゴやイメージカラーの印刷技術も習得し、色やデザインも自在です。製袋を協力会社にお願いしており、現在は学校で通学用の袋や、企業の来客用の袋としてご購入いただいています。お客様がストーンペーパーの原材料を話題に出すことによって、SDGsが広まるきっかけになれば良いと思っています。

こうしたアイディアは、SDGsへの取組を始めた時に設置した「企画部屋」から誕生しています。当社では朝礼などでSDGsの話を頻繁にしていましたが、なかなか社内に浸透せず、課題を感じておりました。しかし、各部署の若いメンバーを中心に自発的に参加できて、まるでサークルのような風通しの良い「企画部屋」をつくったことにより、新商品のアイディアやSDGsの社内周知方法を考える事ができるようになりました。

SDGsをヒントに、印刷を通して地域貢献について試行錯誤し、その取組の中で竹紙でできているノートやストーンペーパーを使った紙袋などが商品として生まれました。そして、それがニュースなどで取り上げられ社会にも認められているということを社員が実感できたことで、充実感ややりがい、モチベーションアップにつながり、全社的に盛り上がる2次的効果を生んでいます。商品化のアイディアはまだまだあり、近々、新しい発表もできると思います。

このような商品のコストは、通常の印刷やノートなどに比べ割高になりますが、SDGsを念頭に置いた取組が当社の特徴でもあり、環境にいい印刷、環境に配慮した商品を提供し、それを使ってもらうことがその企業や団体のブランドイメージのアップにもつながると信じています。

今後はどのような展開を考えていますか

常に意識を向上させ、チャレンジしていきたいですね。新たなものを作っていくことで社員との対話を重ね、完成した時の「ワクワク感」「楽しい」を感じてもらえればと思っています。
そして、世の中の動きに合わせられる企業でありたいですね。環境を守り、住みやすい持続可能な社会(地域)を実現するために、これからも色々な取組をしていきます。

お客様の声

Mulberry Delicatessen&Café
代表 渡邉 友三 様

私どもは飲食店ですが、店舗運営のあらゆる部分で以前からSDGsへの取組を積極的に行っています。食という観点では、自ら狩猟免許を持ち、ジビエ肉の普及や地産地消の食材選択の推奨をしています。
また、使い捨てのストローをステンレスに替えたり、店舗にはソーラーパネルを設置するなど、食を超えた様々な角度からSDGsに即した経営をしています。
そんな中、アルキャスト様との出会いがあり、環境に配慮したインキや紙の選択、循環型社会形成の為の植樹活動、さらには地域との連携といった、印刷だけではない幅広いSDGsな取組や事業内容に共感し、仕事をお願いすることにしました。
今後も新しいチャレンジや斬新な発想力で、ワクワクする会社になっていくことを期待し、共に成長できればと思います。

株式会社アルキャスト
代表取締役社長 東 佑美さん
取締役営業部長 東 靖大さん

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